国鉄157系特急電車「あまぎ」(KATO 10-393/394)
今回は悲運の特急/準急電車157系について紹介したいと思います。
157系は重要な観光地 日光への準急「日光」号に使用すべく、国鉄が開発した準急電車です。
1959年より作られましたが、中途半端な性格が災いしたのか、使いみちが狭かったのか、僅か31両という少数の生産に終わりました。
運用上でも当初、準急ということで冷房準備車として製作されたため、一段下降式窓を採用したのですが、ここに雨水や湿気が溜まり、腐食してしまうという構造上の欠陥があったため、誕生から僅か17年の1976年には全廃されてしまいました。
しかしながら模型の世界では割と恵まれた存在であり、古くから16番ではカワイ、Nではしなのマイクロ及びGMの板キットが存在しておりました。
2000年代に入った頃、KATOが発売したのが、こちらの製品です。
ちょうどNへ参入したアリイのマイクロエースも同時期に製品化したため、競作となりました。
マイクロからは非冷房赤4号の準急時代と冷房化特急時代の両方が出ておりましたが、同社初期の製品だけに、出来の方はあまり良くなかったように記憶しております。
特に腰高感がマイナスでしたね。
一方のKATOですが、こちらはそれまでどこも模型化していなかったサハ157を製品化し、クモハにはクイックヘッドマークを設定するなど意欲的な製品ですが、あくまで個人的感想ですが、いまいちなところも見られました。
クモハ157-6
当時のKATO製品旧485系、583系、211系と同様、運転台側の台車位置が下がりすぎています。
これは結構気になりますね。
原因として、スカートに設置された前面連結器と台車が干渉してしまうためであり、中間に入るクモハ157-7と部品を共用したためです。
もっともこの当時、首振りスカートがまだ現役でしたので、それよりは良かったのかも。
また、スカートの形状もおかしいそうです。
なお、この次に作られた157系お召電車では台車の位置が見直されて、スカートも正しい形状になったそうで、157系あまぎも2008年?の再生産版は同様と聞きました。
Assy部品が欲しかったですが、気づいたときにはとうに手遅れで、どこにもありませんでした。
モハ156-6
右ドアの右側は売店のようです。食堂車がないために設置されたようですね。
サロ157-4
サロも一段下降窓ですね。
サロ157-1
サロは2両とも同じ形状のようです。
サハ157-3
上記のように、初の製品化形式です。さすがKATOですね。
サハには売店がないため、他形式の金型が転用できなかったためでしょう。
モハ157-7
モーター車です。
模型鉄道の世界では、どういうわけかパンタ付M車にモーターを入れることが多いのですが、ひっくり返したときにパンタを引っ掛けるので、絶対にやめて欲しいです。
クモハ157-7
台車後退の原因を作った中間に入るクモハ。
残念なことに改良品も、こちらの連結機能を持つクモハ157-7は従来通りだそうです。
あと、これも当時のことで仕方ないのかもしれませんが、先頭車側面の赤塗装が薄くて、一部下地が透けてしまっているのにはがっかりですね。
モハ156-4
クモハの前面連結器と連結するために、こちらの増結用モハはボディマウント化されているのが当時としては珍しいです。
なお写真は逆向きになってしまっていますね。
クモハ157-4
前照灯は時代的にオレンジのLEDですね。
クイックヘッドマークはプラ成形ですが、形状も発色も良いと思います。
ただし、位置決めがしにくく、ずれやすい欠点もありますね。
こちらの製品は2000年に発売されたと記憶しております。
私個人はこのスタイルが好きで、発売当時に購入しました。
グリーン車が2両入って、9両という短い編成も運転には適していますし。
反面、KATOの157系は長らく不人気アイテムの一つだったように思います。
今に比べると、一品種あたりの生産量は多かったのでしょうね。
最近はそうでもありませんが、少し前までは中古屋にはよく並んでいたように記憶していますので。
実車が短命で、決して人気が高いとも思えませんし、模型の方もいまいち感が強い157系は、ほとんど紹介されることもありません。
恐らくもう作られることはないでしょうが、万一、再生産するならば、連結器を現行の電連なしにして、中間クモハの台車位置を変更し、LEDを電球色+白色にしてもらえればと思います。
塗装もグレードアップして。
まあ、無理でしょうね。
2019/7/2記、2020/5/8写真全更新、文章修正の上、再録
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