DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

こちらでは模型鉄道以外の模型記事を書いています。模型鉄道関連は本店にお越し下さい。

ギア破断トラブル、ついに修理完了!

 今回は2015年の記事の再録となります。

 

 
 長年悩んでいた問題に対し、ついに一定の解決を見出す事が出来ました。

 今から約8年前のことですが、LimaのSBB RAeゴッタルトの走行ギアが割れてしまい、まともに走らなくなってしまいました。 

 

 

 走行時に、定期的に異音が発生し、引っ掛かかるような感じがあるのです。 

 このトラブルは以前、ROCOのDB BR 169で経験しておりましたので、あわてて確認しますと、案の定、車軸に取り付けられている走行ギアが割れておりました。 

 

 

 右端の動輪は割れを食い止めるために、真鍮線でギアを縛っています。

 しかし却って縛った部分が台車に当たって、異音の原因となってしまいました。

 

  

 写真のようにLimaの走行ギアは、2.5mmの金属の車軸にプラ製のギアがはめ込まれておりますが、樹脂が劣悪で、経年で収縮してしまうため、耐え切れずに破断したと思われます。

 

 

 こちらは機関車用のギアです。

 破断線がよくわかると思います。 

 

 案の定、この製品だけにとどまらず、同様な車軸ギアの破断トラブルが頻発しました。 

 

 

 白いギアはGützoldです。

 
 具体的には、Limaが2輌(DB BR 120、ÖBB BR 1042.5)、Gützoldが4輌(DR BR 19、BR 155、BR 252、DBAG BR 156)、そして以前経験したROCOのBR 169です。  

 

 

 交換部品があれば修理は簡単ですが、そうは問屋が卸しません。 

 と言うのも、Limaはとうの昔に倒産しており、後継会社に対してもアフターなど全く期待できませんし、Gützoldにしても会社はありますが、部品を注文する方法がわかりませんでした。 

 一番簡単なのは一切合財諦めて売却してしまう方法でしたが、欧州型中古暴落の中、難ありのLima製品など価格がつくはずもありません。 

 それと、Limaには少々思い入れがありました。 

 私がこの道に入った1980年代、日本で欧州型を扱っている店は非常に少なく、とても高いものでした。 

 極端なことを言えば、現地価格の2倍3倍なんてこともあったくらいです。

 従って、めったに売っておらず、おまけに高いドイツ製品など、私にとってなかなか買えるような代物ではなく、当時精度を増していたLima製品は大いなる味方でした。 

 ただし、1980年代のLima製品は、走りがあまりにも貧弱でした。 

 カルダンドライブで全軸駆動ながら、走りの方はお粗末極まりなかったのです。 

 その原因は劣悪極まるモーターでした。(及び巻線抵抗式のパック) 

 そこで思い切って、当時日本型の間で流行していたCanonモーターへの改造にトライしてみたのです。 

 すると……、どうでしょう。 

 あの貧弱極まりなかった走りが、まるで別製品のように改善されました。 

 最初ÖBB BR 1042.5、それからSBB RAe、DB BR 120の順で行ったように記憶しております。 

 その後、ROCO製品にも同様のモーター交換を行いましたが、Lima製品ほどの改善は見られませんでした。 

 

 中でもSBB RAeには本当に(悪い)思い出が沢山あります。 

 私は、昔、絵本などによく出ていたこの車両が大好きで、1986年の発売当時に買いました。

 当時、確かKATOのNもありましたが、4万円!と手の出るような代物ではありませんでした。 

 こちらは4連で2.5万円、川崎の共立工芸で買ったように記憶しております。 

 しかし、この製品は巡り合わせが悪いのか、爾来、今日までひどい目に何度も会いました。 

 まず、最初からして上手く行きませんでした。 

 この製品はどういうわけか現在のデジタル電車のように連結しないと走らないんです。 

 動力車は片側集電で、他のT車から反対側を集電しているのですね。 

 従って向きが反対だと動かないんです。 

 どうしてこんな変なシステムにしたのかわかりませんが、電極を兼ねた連結器が外れやすい。 

 おまけに某外国形専門有名模型店の広告とは全く違い、走りがとても悪いのです。 

 フライホイールらしきものを装備していますが、何の役にも立っておりません。 

 でも、それはまだ我慢の範囲。

 まずM車が箱の発泡スチロールの害により、当たり面の赤が薄くなってしまいました。 

 あまりにも状態がひどいので、思い切って部分塗装しましたが、赤はきれいに塗れたものの、マスキングが上手く行かず、クリームまではみ出してしまい汚くなってしまいました。 

 それからTc車のダイオードが何度も切れました。 

 こんなトラブル続きでは今だったら手放してしまったかもしれませんが、それでもCanonモーター換装後は、快調に走るので気に入っていました。 

 第一、更新しようにも、SBB RAeはLimaが倒産したこともあり、かなりレアな存在だったんです。 

 それで、購入してから約20年後の2007年に偶然、某店に4連の基本の中古が出ました。 

 価格もまあまあ、程度もよかったので喜んで購入しましたが……、購入後、ギア割れに気づきました。 

 もうがっかりです。 

 しかしこの頃はまだレア感があり、私の保有していた決して程度の良いとは言えないリペイントを含む4連も、結構な金額で売れたのが唯一の救いでした。 

 これ以上のギア破断を防ぐために、上記のようにプラギアの軸を真鍮線で縛ったりしましたが、異音は全く弱まることがなく、このままでは他まで壊れてしまうので、以降、寝ていることが多くなった次第です。 

 話を戻しまして、メーカーから代替部品を入手できないとなりますと、類似品を探し、何とかするしかありません。 

 しかし、以前にも書きましたが、Limaの動力車軸は、10歯、軸径2.5mmという特異な仕様であり、少なくとも唯一入手可能なROCO製品(軸径2.0mm)が転用できません。 

 おまけにRAeはギアがセンターからずれておりますので。 

 いよいよ方法が無くなってしまい、修理しかなくなりました。 

 

 ところで、修理自体は実に単純明快です。 

 1)車輪を軸から抜く。 

 2)新しいギアを挿入する 

 3)軸に車輪をはめる。 

 たったこれだけのことに過ぎません。 

 しかし……、こんな簡単なことが実に難しかったのです。 

 まず、車輪を破損させずに抜く方法がわかりません。 

 力ずくでは軸を曲げたり、車輪を壊してしまいます。 

 そこで、トレトレをはじめ、思いつくところで質問しましたが、大変残念なことに、全く情報を得ることが出来ませんでした。 

 それでも、いろいろ探した結果、ウォームギア抜きというものを知り、実際にラジコン屋で見ましたが、径が違い過ぎて車輪を咥える事が出来ませんでした。 

 押し出しピンも貧弱極まりなかったですし。 

 更に調べるうちにNWSL社の車輪抜きというものがあることを知りましたが、これとて入手はかないませんでした。 

 あきらめかけたところで、今年になってもう一度探してみるとマイクロプーラー(メーターの針抜き)というものがあり、これが使えそうなことがわかりました。 

 たまたま偶然が重なって、メーターの針抜きを勤務先の方にお借りすることができたんです。 

 

 

 そこで試したところ、あれだけ長い間悩んでいたものが、いつも簡単に抜く事が出来ました。 

 全く道具というものはすごいものですね! 

 

 

 ただ、お借りした針抜きは簡単な構造であったため、強く嵌合している非絶側はフレームが変形してしまい、抜く事が出来ませんでした。 

 そこで、絶縁側を抜いたところ簡単に車輪を外す事が出来ました。 

 割れてしまった歯車は、いとも簡単に抜けてしまいました。

 これじゃあ空回りもするわけです。 

 これでまず第1段階をクリアすることができました。 

 

 そうなりますと、次は歯車です。 

 今回修理に必要なのは、Lima 外径6mm、10歯、軸径 2.5mmΦ、とGütold 外径10mm、16歯 軸径 2.5mmΦです。 

 ところが……、こんな単純なスパーギアですが、どこにもないのです。 

 外径5mm 8歯、軸径 2mmとか、外径 8mm、12歯、軸径2.4mmならば簡単に入手できるのですが。 

 そこで、この手のことには一番詳しいIMONの原宿店に聞いてみましたが、ギア単体は入手できないとのことでした。 

 確かにヨーロッパの掲示板にも、「APCがLima互換の(真鍮製)ギアを出しているが、入手が難しい」旨、記載があったくらいですから、歯車の調達は難しいのでしょう。 

 そこで、いろいろ調べているうち、全くの偶然ですが、使えそうな歯車を作っているメーカーさんを見つけました。 

 HPの規格歯車を見ますと……、歯数と外径はピッタリですし、軸径は僅かに小さい! 

 これならば使えると思いました! 

 しかし……、HPには「最低1万個」からの注文とありました。 

 これには困りましたが、だめもとで先方に問い合わせたところ、サンプルとして分けていただく事が出来ました。(有償) 

 

 その歯車が先日届きました! 

 オリジナルと比べますと、直径はばっちりでした。 

 規格歯車だったので、歯数と直径が合っていたのですね。 

 もちろん計測していますが、これが合わなくては万事休すだったので、ほっと胸をなでおろしました。 

 一方、ギアの幅はオリジナルの約2倍ありましたが、幸いなことに特に問題なくギアボックスに収まりそうです。 

 このギアは、恐らくナイロンかポリアセタールだと思いますので、削るのは大変ですから助かりました。 

 そこで、さっそく軸に挿入しようとすると、当たり前のことですが、2.5mmの軸に2.4mm穴では入りません。 

 もちろんスカスカでは空回りしてしまいますが、無理して入れても破断してしまいます。 

 歯車メーカーさんからは、リーマーで拡口することを薦められていました(ドリル不可)が、私の居住地域では2.5mmのリーマーなんかありません。 

 そこで、精密丸やすりで慎重に拡口してから、2.5mmのドリルでさらい、軸にギアをはめました。 

 特に薄い10歯は割れそうで怖かったですが、何とか挿入できました。 

 

 

 またギアをはめ込み過ぎないように、スペーサーを作り、当ててから圧入します。

 こうしないとつい入れすぎてしまい、調節が大変です。 

 ギアを挿入するのには、怪我や破損防止のため、木で押し板を作りました。

 ギアを挿入した後は、車輪を圧入します。 

 絶縁側を抜きましたので、簡単に入りますが、バッグゲージに注意しながら慎重にはめ込みました。 

 本当は圧入バイスがあればいいのですが、あいにく持っておりません。 

 あと面倒ですが、車輪の相性とか絶縁方向があるので、ギアの入れ替えは一度に行わず、一軸ずつ行いました。 

 それでも治具を作ってこともあり、作業自身は思いのほか順調に進み、結局、6輌のギアを全て交換するのに約1日で終わりました。 

 試運転の結果は、引っ掛かるような感じも音もありませんし、厳密には歯形が異なるかもしれないと言われておりましたが、異音や抵抗もありませんでした。 

 これで6輌の動力車を廃車にせずに戦力化できました。 

 

 

 ただし、Limaの10歯に関しては、ギア径の割に、軸径が太すぎて樹脂が薄いことから、また破断してしまうかもしれません。 

 これは根本的に設計が悪いです。 

 なお今回、歯車代と工具代で、結構なお金がかかりましたが、それでも結果として6輌の動力車が救われたので、良かったと思います。 

 もうこんなことは勘弁して欲しいですが、樹脂である以上、ギアの破断はあり得るので、やり方がわかったのは収穫でした。 

 今後のためもあるので、マイクロプーラーや圧入バイス、2.5mmリーマーもそのうち探してみたいと思います。 

 とは言っても何よりもの成否はギアの入手ですので、安定供給方法があるとよいのですが。

 

2015年10月3日記 2020年2月5日 再録

 

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