DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

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西ドイツ国鉄 DB 貨物用機関車 BR 50 1013号機 (Märklin 37810)

 

 今回はDRG 制式貨物機(Einheits Güterzuglokomotive)の中で、最も幅広く使用された軸配置I1-E テンダ式貨物機 BR 50を紹介します。

 

 

 BR 50は、ドイツのD 51とも言うべき存在であり、本線からローカル線まで、また貨物だけではなく客車も牽いて、ドイツ全土で幅広く使われました。

 

 

BR 50 主要諸元

 型式:1’E h2、バッファ間距離 22,94m、運転重量 86.9t、軸配置 1E、軸重 15.2t、過熱式二気筒、出力 1,395kW、ボイラー圧力:16bar、最高速度 80km/h(前後進)、動輪径 1,400mm

  1939~1948年まで、3,146輌という大変な数が生産されました。

 

 

 上記のように、BR 50は生産数が非常に多く、形態的にもドームの数などの差異があります。

 第二次大戦に突入したため、戦時型(Überkrieg)も作られました。

 戦時型は、キャブ前側の窓省略、デフの省略、ドームの角型化、BR 52で採用された船底型テンダー (Vannnentender) などの形態変化があります。

 なお、戦時型も色々あり、部分的に実施されたものも多いです。

 

  

 第二次世界大戦終結後も、BR 50は大量に残っておりました。

 ドイツの西側でも2,159輌以上残存していたそうで、更に戦後生産されものや、戦争で被害を受けた車両の復旧も行われました。

 1950年7月1日現在、2,144輌が在籍していたそうです。

 

 

 DBによる改造として、1950年代に車掌車省略のため、テンダーに車掌室を取り付けが行われました。(Kabinenn Tender)

 この改造は、735両に実施されたそうです。

 その他、1963年までに廃車されたBR 52のVannenntenderへの交換も行われました。

 

 変ったところでは、以前紹介したFrank-Crosti式機関車(再熱ボイラー)BR 50.40に30輌が改造されました。

 

 

 

 BR 50.40 Frank-Crosti 4005号機

 

 BR 50は製作年代からボイラー鋼が早期に劣化してしまう材質と思われますが、BR 01やBR 01.10のような、性能向上を図り、ボイラーを換装したいわゆるUmbau機は存在しません。

  

 

  なお、本機は1968年のコンピューターナンバー化時点で、1,452輌以上が残存(うち88輌は休車)していました。

 DBのコンピューターナンバーは車番が3桁なので、型式050では入りきらず、051、052、053が割り当てられました。

 言い換えれば、最も大量に製造されたBR 52型が1968年以前に引退していたので、このような措置が可能となりました。 

 

 

 DBにおいて、BR 50の最後の1台は、1977年2月21日に廃車されました。

 BR 50は生産量の割に、保存機は少なく、DBの動態保存機は1985年のドイツ国鉄150周年の際に動態復帰した622号機だけでしたが、本機は惜しくも2008年に発生したニュルンベルク交通博物館付属機関庫の大火により、炎上してしまいました。

 このままスクラップになってしまうのか危ぶまれましたが、何とか、解体を免れ、きれいな姿に修復されたようです。(ただし静態)

 

 

 なお、DRに渡った機種はいわゆるReko機として再生されたり、1980年代まで現役でした。

 よって動態保存機も多数あるようですが、当方、DR機は全くわかりません。 

 BR 50はその他のヨーロッパの国々で長い間使用されました。

 以上、Wikipedia 独語版 DR-Baureihe 50 より引用、参照いたしました。 

 

 

 それで、模型の方ですが、HOのBR 50と言えば、Fleischmann製品が有名です。

 Modellbau-Wikiによりますと、製造初年は1971年で、つい最近まで改良を重ねながら作られていた大変寿命の長い製品です。

 私も以前、622号機を持っておりましたが、感想としては、スケールよりは二回りくらい大きく感じました。

 古い製品のDATAでは全長270mmとありますので、確かにスケールよりも5mm位長いのですが、後のものは機炭間が短縮され265mmになったとありますので、それほど大きくはないのかもしれません。

 いずれにせよ、現状保有しておりませんので詳しいことはわかりませんが、BR 103などと同様、長さ方向はそれほどでもないが、全体的にボリュームがあるのかもしれません。

 

 

 二線ではこの他にもKleinmodellbahnからも出ていたようですが、一般的ではなく、1990年のROCO製品が、初めてのフルスケール製品と言えると思います。

 こちらの製品は、以前紹介したしましたように、テンダー及び機関車の両方を駆動するROCOスタンダードであり、繊細な出来だと思います。

 

 

 さて、Märklin製品は1972年に発売されましたが、長い間、さまざまなバリエーションが生産されました。

 最近では2012年のMega Starter Setにmfx フルサウンド機(1049号機)が入っていました。

 ダイカストのボイラー、DCMモーターによるパワフルな走行など、いかにもメルクリンらしい製品であり、私は結構好きです。

 

 

 さて、今回紹介させていただくのは、2013年に発売されたMärklinの二代目製品です。

 この製品は全面リニューアル版で、mfxフルサウンド仕様に設計されたものと思います。

 というのも、旧製品は走りはよいのですが、DCMモーターで動輪ギア駆動のため、走行音がかなり高いからです。

 こちらは最近の小型モーターを使用し、静かに走るので、サウンドが映えます。

 初代と異なり、第5動輪へギアで伝動し、残りはロッド駆動になっております。

 走りは至ってスムーズですが、少し揺れますね。 

 

   

 形態は実物の感じをよく捉えていると思いますが、いかがでしょうか? 

 

 

 BR 55と同様、持った感じは非常に軽く感じます。

 そのせいか、旧製品のような牽引力があるかどうかわかりません。

 このあたりは好き嫌いが分かれるところかもしれませんね。

 

 

 細部も非常によく出来ております。

 少々怖いくらいで、以前のメルクリンの代名詞でもあった「堅牢」という言葉は、似つかわしくないように思います。

 

 

 レタリングもとても美しいです。

 

 

 最近のスタンダードでテンダーがダイカストなので、機関車との質感が統一できるのはとても良いと思います。 

 

 

 ロッド周りは最近のスタンダードの黒染めなので、大変漢字が良くなっていると思います。 

 

 

 ROCO製品も好きですが、さすがに20年後の製品なので、更によく出来ていると思います。

 特にROCOがべたのつや消しなのに比して、少し艶のある塗装はいい感じですし、動輪がダイカストなのはプラ動輪と比べると勝っていますね。

 もっともROCOの最新製品は動輪がダイカストかもしれません。

(うちのは古い製品なので。最近のものはわかりません) 

 

 

 キャブ、ウインドデフレクターも透明パーツです。

 

 

 BR 50は、ターンテーブルのないローカル線での使用のため、バック運転用にテンダーに窓がついているのが面白いです。

 BR 23もバック運転用にテンダーがそぎ落とされていますが、このような例はBR 011に見られるくらいと思います。 

 

 

 

 2’ 2’ T 34 テンダーです。

 

 

 ダイカストボディなので、ボイラーとの質感の差がないのがいいと思います。

 その一方、台車はプラっぽいので、赤く塗りたい気もしますね。

 

 

 メルクリンは1度きりの生産なので、この50型も多数のバリエーションが出ております。

 

 

 それにしても、BR 01やBR 50、BR 103のような有名どころについては、常時入手できるようにしてもらいたい気がしますね。

 

 

 2013/5/15 入線

 2014/6/6 記 
 2020/1/3 写真全更新、文章全面見直しの上、再録
 20205/24 Blogger用に再構成

 

 

 

 

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