DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

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西ドイツ国鉄 DB 旅客用蒸気機関車 BR 23 035 (ROCO 63224)

 

 今日は西ドイツ国鉄の旅客用蒸気機関車 BR 23をご紹介します。

 

 

 

 BR 23は西ドイツ国鉄DBが開発した旅客用蒸気機関車です。

 

 

 西ドイツ国鉄DB BR 23は、東ドイツ国鉄DR BR 23.10と同様、傑作機プロイセン P 8(BR 38.10-40、欧州で最も大量に作られた旅客用蒸気機関車)の代替用として作られた軸配置1C1の旅客用蒸気機関車です。

 

 

BR 23 主要諸元
 型式:1'C1'h2、バッファ間距離:21.325m、運転重量:82.8t、軸重:最大18.9t、動輪径:1,750mm、軸配置1C1、過熱式二気筒、出力:1,875PSi、ボイラー圧力:16bar、最高速度:前進 110km/h、後退 85km/h。

 

 

 P 8の後継機と言いながら、大幅な性能アップが図られた他、様々な改善が施されました。
 もともと後進運転ができるように、炭水車の側面が削ぎ落とされていますが、更に16輌はWendezug(プッシュプル列車)用の推進運転用設備を装備していました。

 

 

 BR 23は、1950~59年の間、105輌が製造され、1975年まで活躍しました。
 もっとも代替されるべきP 8も1974年まで使用されましたが。
 なお、最終105号機は、西ドイツ国鉄が新造した最後の蒸気機関車となります。

 

 

 105号機は、1985年のドイツ国鉄150周年を記念して動態復帰し、DBそしてDBAGの代表的保存機として、全国で保存運転を行いました。
 しかし……、2008年に発生したニュルンベルク機関庫の大火災に巻き込まれ、大きな痛手を負ってしまったのです。

 

 

 被災後はひどい状態でしたが、幸いなことに解体は免れ、それから長い時間をかけて修復され、現在、ハイルブロンの南ドイツ鉄道博物館に保存されています。(静態保存)

 

 

 以上、Wikipedia DB-Baureihe 23 より引用、参照しました。

 

 

 戦後開発/設計の蒸機としては、BR 65、BR 66、BR 82、BR 01Umbau、BR 01.10、BR 042などありますが、どれも似たような外観、すなわち中心線の高い直線的なボイラー、直線的なランボード、端梁にない前照灯等が挙げられます。
 これらの特徴は戦前製機とは一線を画し、好みの分かれるところかもしれません。

 

 

 さて、BR 23の模型ですが、HOではMärklin製品が最も古く、1954年のDA 800です。
 Modelbau-Wiki によると、この製品は1972年までの18年間製造されましたが、その後はPrimexから何度か供給されたもののずっと入手が難しい時代が続きました。
 そして37年後の2009年に、完全新規製品が発売されました。
 こちらはいずれ紹介したいと思います。

 


 HOでは最もよく知られていると思われるROCOのBR 23は、最終105号機が1980年に発売されたのが嚆矢となります。
 この製品は、その後長い間、生産が継続されました。

 


 
 こちらで紹介する035号機は、2002年に発売された改良製品で、それまでのROCO製品の欠点であった車輪がダイカスト製になり、また艶消し黒塗装が、やや光沢のある塗装に変更されています。
 これにより質感が増しました。

 


 一方、この当時の製品ですので、発泡スチロールの害を受けやすいので、ご注意下さい。

 

 

 こちらが一新された金属車輪です。

 以前のプラ製に比べ、質感が大幅に向上しました。

 

 

 やはり、車輪の質感の良さは別格ですね。

 レタリングは以前のものに比べると良くなっているように思います。

 

 

 昔のROCOの蒸機の赤は何か赤というよりもマルーンぽくっていまいちでしたが、こちらは他社の赤に近くなりました。

 昔の製品に比べると、弁装置やロッドの色も落ち着いています。

 

 

 BR 23のキャブには食品を入れる場所や、服箱もあったそうです。

 

 

 

 BR 23のキャブは他とは違う形状をしていますね。

 密閉式ですし、大きいです。

 後退用の窓がキャブ側にあります。

 

 

 テンダーの上半分が削ぎ落とされているようですが、それでも蒸機ゆえ、後方視界はよくありませんね。

 BR 23はバック運転もできましたが、Wendezugにも使われました。

 BR 78と同様、運転車の乗務員はブレーキ弁操作だけで、機関車への指示は電話を使っていたのだとか。

 

 

 2’2’ T 31炭水車。運転重量は62t、水が31m3ですので、半分になるわけですね。

 

 

 このタイプのテンダーは他の機関車には装備されていませんね。

 

 

 旧製品(100号機 43249)と並べてみました。

 こうしてみると黒の色調の違いがよくわかります。

 煙室の下部は全く違う形状ですね。

 

 

 上から見た図。

 基本形状は同じに見えます。

 

 

 なお、ROCOからは現在、DCC機を含め、BR 23が発売されておりますが、こちらは見たことがないので、こちらと違うのかどうかわかりません。

 ただし、旧製品はテンダーがダイカスト製なので、デジタルには不向きですので、新規になっている可能性もあります。

 

 

  BR 23はちょうど動力近代化の時期に登場しましたので、DBでの活躍は限定されたものとなりましたが、模型の世界ではn-Wagenを牽いて活躍させたいものですね。

 

2003年2月12日 入線

 

2020年1月10日 記
2020/5/23 Blogger用に再構成

 

 

 

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