DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

こちらでは模型鉄道以外の模型記事を書いています。模型鉄道関連は本店にお越し下さい。

お前もか! DBAG 234 304-4ギア割れ BRAWA 0411

 先日の記事のFSの電車、売れましたね。

 それも結構な価格でした。

 おそらく走らせない方なんでしょうが、つぎ込みますな。

 殆どの方にとって、ギア割れの修理は相当、ハードルが高いと思いますので。

 それはともかく、ギア割れは相当重大なトラブルですので、過去の記事ですが、再録しておきたいと思います。

 

 

 過日、思い立ってBRAWA BR 234を出してみました。

 めったに出さない車両なので、本当に久しぶりのことです。

 

 そうしたらですね、例の不吉な音がしたんです。

 嫌な予感がしましたので、ギアカバーを外し、車輪を取り外してみると、なんとまた駆動ギアが割れていました。

 

  

 それでギア付車輪はLimaのような構造でした。

 これならば前回の方法で行けると思い、まず歯の直径を図ってみると……、約7mm。

 先日使用したT社の12Tが使えそうです。

 

 

 そこで軸から車輪を抜こうとしたのですが、はたと気づきました。

 車輪が絶縁されておらず、おまけに車軸に軸受けの金属が取り付けられています。

 そうなんです。

 BR 234の車輪って、車軸が分割されており、プラのギア部品で接続しているんです。

 ちょうどKATO製品みたいに。

 いずれにしても、欧州型では他で見たことのない構造です。

 

  

 そうなりますと話が違ってきます。

 割れてしまった部品は、車軸を保持する役目があるので、長さが必要です。

 ですが……、T社の12Tは厚みがありますが、それでもこの部品の約半分しかないのです。

 さらにギアボックスの幅には制限があるので、ギアの厚みが厚いのではだめなのです。

 まず考えたのは、穴あきプラ丸棒で軸を作って車輪を固定し、そのプラ棒にギアをはめることでした。

 ですが、まず第一に、精度の高い穴あき丸棒は日本では入手できません。

 タミヤのプラ棒は透明で強度が低くい上に脆くてだめ、エバーグリーンの丸棒は絶望的に精度がないので、芯が出ません。

 さらにはエバーグリーンの丸棒でも直径が3.2mmもあるのです。

 これを通す穴を12Tに開けたら、ギアの強度が極端に下がってしまいます。

 また、プラ棒とギアは接着できません。

 これではだめだとあきらめかけましたが、試しに2.4mm穴の他のギアの両側に車輪を差し込んだら、何とか行けそうです。

 そこで、1.9mm穴の12Tを拡径して、何とかこんな形にしました。

 最初、2.4mmで作ったら、少し緩かったので、2.3mm穴とするとなんとかできました。

 

 

 元のギアに比べると、保持する部分の長さが短くなっておりますので、強度的には不安ですが、なんとか走りました。

 また、やや音はしますが、特に問題は生じておりません。

 あと、1.9mm穴を2.3mmに拡径するのは、思いの外、難しかったです。

 今回、2、2.1、2.3の三段階で拡径しましたが、穴が曲がってしまいました。

 拡径作業には、やはりリーマーを使わないと駄目なようです。

 なお、ドイツのフォーラムには、BRAWA製品は経年により、このようなトラブルが生じることが記してありました。

 確かに同社のTalentのギアが経年で割れてしまトラブルはよく知られています。

 実際に、走行不能で中古屋に並んでいたのを何度も見かけました。

 あわてて、うちの他のBRAWA製品を確認しましたが、BR 229がやや怪しいですが、他は今のところは大丈夫でした。

 ただ、ようやく入手したE 95も割れるとありましたので、恐怖でいっぱいです。

 それとドイツ語の斜め読みでは、BRAWAにクレームを付けたが、なしのつぶてだったそうです。

(まちがってたらごめんなさい)

 こいつ、中国製品で裏側に「QC PASSED」なんてシールが貼ってありますが、経年で割れてしまうようなギアで、よくもそんなことが言えるなって思いました。

 さらにはドアが開いたりするんですが、そんなのよりもこっちをきちんとしろって言いたいです。

 

 

 皆様も中古購入時にはギアが割れていないか、十分ご注意ください。

 と言いますか、BRAWA製品は経時でギアが割れるものが多いことを理解してから、購入した方がいいですよ。

 私のように知らないで買って、後で腹をたてるのは無駄ですから。

 

<付記>

 その後、当方所有のBRAWAの蒸気機関車K.Bay.Sts.B S 2/6のテンダ車輪の軸も割れました。

 何故かショートするので調べたところ、台車から車輪が脱落してわかりました。

 この車両も全く同様な構造で、KATO製品みたいに、絶縁軸で車輪を保持しています。

 この軸は径が1.8mmくらいしかない細いパイプなので、入手の見込みがありません。

 動力軸ではないので、接着して仮補修しました。

 BRAWAの蒸機はとても高額ですが、BR 234同様、やはり材質がとことんダメなようですね。

 ということで、同社からは魅力的な機関車が多く発売されていますが、こんな問題があるのでは、私はもう買わないですね。

 こんな高額商品がクソ材質ではお話になりません。

 

 なお、私が実体験したわけではありませんが、PikoのICE 3もよくギアが割れるそうです。

 ドイツのフォーラムに記事がありましたし、某オクにはギア割れのICE 3が複数回出ていました。

 ギアは模型鉄道の命とも言える重要部品なのに、こんなことでは困ります。

 もっと良くないと思うのは、このような重大な情報があまり表に出てこないことですね。

 

<付記2>

 この製品にもいいところがあります。

 それは車体の外し方で、写真のようにバッファーを抜くだけで簡単に外れます。

 これは非常に優れた方法であり、他社もぜひ追随して欲しいですね。 

 

 

2003年7月16日 入線

 

2015年7月14日 記、2020年2月11日 追記の上、再録