DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

こちらでは模型鉄道以外の模型記事を書いています。模型鉄道関連は本店にお越し下さい。

テスト投稿:ドイツ国鉄 DRG 高速試験用蒸気機関車BR 05 001号機 (Märklin 37050)

 

  

 BR 05は戦前のドイツ国鉄 DRGが世界に誇った高速試験用蒸気機関車です。

 

 

BR 05主要諸元

 型式:2’C2’ h3、軸配置:2C2、バッファ間距離:26.265m、重量:129.9t、軸重:19.4t、動輪径:2.3m、過熱式三気筒、ボイラー圧力:20bar、出力:1,735kW、最高速度:175km/h

 

  

 1935年に完成し、折しもナチス・ドイツ勃興の象徴として、その流麗なスタイル及び高性能でその名を世界に轟かせました。

 実際、1935年には002号機が試験用客車3両を牽引し、当時の速度世界記録(195.6km/h)も達成しております。

 

 

 BR 05は001~003の三両が製作されましたが、試験機的要素が強く、それ以上、量産されることはありませんでした。

 001と002は同じスタイルでしたが、003号機は全く異なるキャブフォワード形式で完成しました。

 しかし、微粉炭供給装置に不具合があったため、1944年に流線型カバーを取り外した通常型に改造されています。

 

 

 001と002についても、第二次世界大戦の勃発とともに、運用が減り、また本機程度の速度ではあまり効果がなく、保守の邪魔になる足回りの流線型カバーが取り外されるなど、他の流線型蒸機BR 01.10やBR 03.10と同じ運命を辿りました。 

  

 

 なお、流線型旅客用急行用蒸機の量産機としては、BR 01.10及びBR 03.10が量産されることになりましたが、その最中に第二次世界大戦が勃発したため、両形式とも生産数は限定されたものとなりました。

 

 

 敗戦後、BR 05は放置されており、そのまま廃車の予定でしたが、1950年になってから再生工事が施されました。

 001と002は、003と同様、流線型カバーが完全に取り外され、通常型の蒸機と同様のスタイルになり、また全機ともボイラー圧力が20→16kgf/cm3に降圧されたため、性能は低下しました。

 これはボイラー材質St 47鋼の材質劣化によるものかもしれません。(詳しいことはわかりませんでした)

 

 

 BR 05は当時の最優等列車F-Zugの運用にあてられました。

 しかしながら同型機が3輌しかなく、また大きすぎて取扱に苦慮したこともあり、それに何よりも動力近代化の波が押し寄せ1958年には引退しました。

 以上、Wikipedia ドイツ国鉄05形蒸気機関車 他参照

 

 

 002及び003号機は解体されてしまいましたが、001号機は流線型カバーを復元された大変美しい状態で、ニュルンベルク交通博物館に静態保存されております。

 2007年の大火でも被害を受けなかった本機は、これからもドイツ鉄道の象徴として、大切に保存されていくことになるでしょう。 

 

 

<各部のディテール>

 

 

 質感が実にいいですね!

 

 

 ダイカスト製のボディですが、もっさりとした感じはありません。

 大変シャープな成形と思います。

 

 

 リベットも好ましい表現と思います。

 

 

 最近の製品ですので、レタリングもとても美しいです。

 炭水車端面のディテールも無視されていないのですね。 

 

 

 密閉型のキャブが高速機を彷彿させますね。

 

 

 掴み棒は取付座の形状も含め、よく出来ていると思います。

 ここは金属の勝ちですね。

 

 

 機炭間も短くなっています。

 レタリングも美しいです。

 

 

 5軸の2’ 3 T37 St 型炭水車。

  

 

 さてBR 05は、戦前期ドイツを代表する有名な機種ですが、模型の方は長らく1972年発売のLiliput製品の独壇場であり、こちらで紹介する2005年のMaerklin製品まで30年以上、新規製品はありませんでした。

 

 

 ほとんど見えませんが、ダイカスト動輪がいい感じです。  

 流線型機ですので、足回りがよく見えませんし、ディテールも少なく、また容積が大きくて動力を入れるのもたやすいと思いますが、やはり特殊な機種だからでしょうか?

 

 

 もしかしたら、模型化が敬遠されたのは、ナチス時代を彷彿させる機種だからかもしれませんね。

 

 

 それで上記の通り、こちらのメルクリン製品は、2005年にInsider Modellとして発売されたものです。

 

 

 同社の技術の粋を集めて作られたと思います。

 まず、何と言ってもよく似ています。

 BR 05はとても機関車といった感じではなく、むしろ魚といった感じがしますが、スマートでかつ何か異次元の物体と言った雰囲気をよく醸し出していると思います。

 流石にLiliput製品よりも30年以上経過しておりますので、各部も大変良く出来ていると思います。

 私的にはダイカストの質感や高級感ある塗装が好きですね。

  

 

 駆動方式は炭水車駆動のLiliputとは異なり、伝統の機関車駆動です。

 同社としても他に類を見ないコースティングギア?を採用しており、非通電状態で、押すと転がります。

 RivarossiのSドライブなどと違って動作は確実に感じますが、あまり走らせていないので、よくわかりません。

 

 

 Liliput製品が、形状はともかく、動力装置に問題があった(経年で不動になってしまう→ギアが空回りしやすい)ことを考えると、Marklinだけに安心して使えそうな気もするのですが、この機構は、他の機種では使用されていないので、問題があったのかもしれませんね。

 幸いなことに、うちのは今のところよく走りますが。

  

  

 当時、出たばかりのフルサウンド機です。

 確か同社としてはBR 10 (37080)に続くフルサウンド製品だったかな。(BR 01.10 39103の方が先かもしれません)

 いずれにしても速度にドラフト音が比例しますが、音自体は電子音で、ちょうど昔の玩具のシュッポー汽車みたいな安っぽいものです。

 汽笛もおもちゃそのものです。

 当然、三気筒にもなっておりません。

 このサウンドだけはなんとかしたいですね。

  

 

 サウンドを使うとがっかりですが、機関車の出来は最高です。

 同時代のSchürzenwagenを牽かせて楽しみたいですね。

 

 

2013年3月6日 入線

 

2019/1/15 記 
2019/12/5 
2020/5/5 写真総入れ替え、加筆の上、再録
2020/5/20 Blogger用に書き換え

 

 

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