西ドイツ国鉄 DB 貨物用蒸気機関車 BR 41 349号機(Märklin 37929)
今回は、西ドイツ国鉄DBの貨物用蒸気機関車 BR 41について、ご紹介したいと思います。
BR 41は、DRGが開発した軸配置1-D-1(ミカド)の急行用貨物蒸気機関車です。
BR 41主要諸元
型式:1'D1'-h2、バッファ間距離:23.905m、運転重量:101.9t、軸重:最大19.7t、過熱式二気筒、出力:1,397kW、ボイラー圧:20bar、最高速度:90km/h、動輪径:1,600mm
BR 41は、1934年にBerliner Maschinenbau AG 社(BMAG, 以前の Louis Schwartzkopff社)が、ドイツ国鉄DRGに提案した、高速貨物用機関車が始まりです。
もともとDRGは軸配置1-D機を支持していましたが、BMAG社はより高性能を狙い、1-D-1軸配置としました。
DRGもこの計画を承認し、1937年に2両を試作しました。テストの結果は大変良好であり、量産に入りました。BR 41はBR 03やBR 06、45との設計共用化により、安価に作ることが来たそうです。
しかしながら、BR 01.10、BR 03.10など同様、第二次世界大戦の勃発により、より必要とされていた貨物用機関車の生産に切り替えられたことにより、366輌の生産にとどまりました。
第二次世界大戦後、DBに216輌、DRに122輌が継承され、その他、PKPやCSDでも使われたそうです。
ところでBR 41には、同時期に製造された他の機関車と同じ問題がありました。
すなわち、ボイラーに使用されたSt 47鋼が早期に劣化して強度が低下してしまうのです。
このことにより、すぐにボイラー圧力を16barに低下させる処置が施されました。
性能の低下は避けられませんでしたが、これ以外に事故防止策がなかったのだと思います。
またDRGにより、St34鋼を用いた交換用ボイラーも作られたようです。
しかし戦後になって、よりボイラーの劣化が目立ってきました。
そこで、ようやく世の中が落ち着いてきた頃、BR 41はBR 03.10と同様、DB、DRともにボイラーの新造をはじめとする性能向上(Umbau、Reko)を行うことになりました。
こちらは原型機です。
こちらはDB Umbau重油炊きバージョン 042 096-8 (37925)です。
上と比べると、大分形状が異なりますね。
改造により、BR 41は安定性が増すとともに、性能が向上しました。
実際、BR 042(BR 41のUmbau機・重油炊き)はドイツ蒸機の終焉である1977年まで、エムデンなどの北ドイツで大活躍したのです。
しかしながら、既に電機やDLの時代になっていたこともあり、この改造は全車に実施されることはありませんでした。(DB 107輌)
そして、原形ボイラーのままの使用された機種も多かったのです。(Altbaukessel)
こちらで紹介している349号機は、1963年に廃車となるまで、原形のまま活躍しました。
以上、Wikipedia DR-Baureihe 41 より引用、参照しました。
さて、模型の方ですが、Modellbau-Wikiによりますと、メルクリンのBR 41 Altbaukesselは、実車とは逆に、Umbau機のバリエーションとして、2014年に発売になったものです。
BR 41原形車のボイラーは、BR 03と同じですので、MärklinがBR 03をフルリニューアルした際に部品を転用することで発売したのだと思われます。
残念ながら新BR 03は持っておりませんので、ボイラーの比較は行っていないのですが。
これはFLMと同じですね。
ボイラー/ランボードが新製となっております。
いつも通りで、ダイカスト製のボイラー、テンダー、プラ製のキャブが組み合わされております。
もともとのBR 042が非常に良い出来でしたので、こちらもよく出来ていると思います。
クロスヘッド?が37925の赤から、金属色へ変更となりました。いい感じになりましたね。
ボイラー/テンダーがダイカスト製なので、質感の統一が図られているのがいいと思います。
昔の製品に比べて、本当に細密になったと思います。
ただし、破損しやすいので、取り扱いには注意が必要ですね。
BR 41は、他の貨物機に比べると、スマートな感じがしますね。
BR 41 Altbaukesselは先に引退しましたが、DB Umbau機の重油炊きBR 042は、北ドイツで蒸機終焉まで活躍しました。
動画を見たことがありますが、高速で大迫力でした。
各部のディテールです。
シリンダー横には"JUNG"の名板が印刷されています。
シャープなダイカスト動輪は本当に良いと思います。
質感も含め、プラではこうはならないですね。
キャブ下の配管が折れてしまっています。
これも今回初めて気づきました。
収納する際、プチプチに引っかかってしまったのかもしれません。
IMONの箱の数少ない欠点ですね。
弁装置の色は良くなりました。
ロッドも昔の製品とは比較にならないくらいよく出来ています。
黒染めが非常にいい感じですね!
このあたりのレタリングも本当にきれいになりました。
制式機のキャブです。
前面の日除け?は、上だけのタイプですね。
ステップも良く出来ていますが、ここまでよく出来ていると、赤を塗ってやりたくなります。
2’2’ T 34 炭水車です。
BR 01や03、41、44など多くの機種で使われました。
テンダーに引っかき傷があるのに、今回気づきました。
最初からのようですが、こういうのは本当にがっかりしますね。
炭水車の石炭の位置が変化します。
私のBR 41は2015年に発売になったMesse Modelだそうで、通常品(37927)と比べるとデコーダーがmfx+になっており、また炭水車の石炭位置が変わるギミックが追加されております。
ファンクションでも低位置へ変更できますが、mfx+モードの場合、走行に伴って、石炭が減少するようです。
このせいかどうかわかりませんが、標準価格は449ユーロと比較的高めの設定になっております。
今回もLippeでバーゲンになっておりましたので、何とか入手できた次第です。
あくまで個人的な感想ですが、このギミックは不要に感じました。
2016年6月24日 入線
2016/11/5 記
2020/1/3 写真全面更新、文章修正の上、再録
2020/5/20 Blogger用に再編集
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