DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

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西ドイツ国鉄 DB 貨物用蒸気機関車 BR 55.25-56 848-6号機 (Märklin 26833)

 

 今日は西ドイツ国鉄 DBの貨物用蒸気機関車 BR 55.25-56を紹介します。

 

 

 BR 55.25-56はドイツで二番目に量産された貨物用蒸気機関車です。

 

  さて、ドイツの貨物用蒸気機関車と言えば、皆さんどの機種を思い浮かべますでしょうか?

 

 

 ドイツ全土で幅広く使われたドイツのD 51とも言える BR 50、三シリンダの強力貨物機 BR 44、4,000t鉱石列車を重連で引いたことで名高いBR 043(44型の重油専焼型)、あるいは7,000輌以上という、ヨーロッパでもっともたくさん作られた戦時急造型 BR 52等、鉄道史に残る機関車が存在します。

 

 

 さて、ドイツ蒸気機関車の生産量第一位はBR 52ですが、二位となりますと存外知られていないのかもしれません。

 

 

  こちらで紹介するBR 55.25-56は1913~1921年の間、K.P.St.E.(プロイセン国鉄道)及びDRGによって4,958 輌、 Reichseisenbahnen in Elsaß-Lothringenにより 137 輌の合計 5,155輌が製造された隠れた名機です。

 この数字は第二次大戦時の戦時型量産機 BR 52に次ぐ堂々の第二位です。

 

 

 第一次世界大戦の結果、1,800輌以上が失われたと資料にありましたが、恐らくこの数字には戦時賠償で各国に引き渡されたものを含むと思われます。

 DRGには3,121輌が継承されました。

 第二次大戦が終結した後も、ドイツに1,000輌以上があり、DBで最後の一台が引退したのはなんと1972年でした。

 およそ半世紀に渡って活躍したことになります。

 DBではBR 52(1963年引退)よりも、ずっと長生きでした。

 

 

 さて、BR 55とは貨物用軸配置0-8-0型機の総称であり、DRG発足時に各王国のこの形式が55型に集約されました。

(例外としてザクセン王立邦有鉄道 I V→BR 55.60はB-Bマレー)

 具体的には、K.P.St.E. G 7.1、G 7.2、G 8、G9、プファルツ鉄道 G 5、メックレンブルグ鉄道 G 7、G8、ザクセン王立邦有鉄道 I Vなどがありますが、その中で、もっとも沢山作られ長年にわたって使われたのが、こちらで紹介しているBR 55.25-56で、もともとはK.P.St.E. のG8.1です。

 

 

BR 55.25-56 性能諸元

 型式:D h2、バッファ間距離:18.29m、運転重量:69.9t、軸重:17.6t、動輪径:1,350mm、軸配置D、過熱式二気筒、出力:927kW、ボイラー圧力:14bar、最高速度:55km/h

 

 

 G 8.1は欧州で最も大量に生産された旅客用蒸気機関車 プロイセンP 8と同じ、ロベルト・ガルベにより生み出されました。

 軸配置は違いますが、ボイラーの形状等、似ているところもありますね。

 

 

 上記のようにG 8.1は、特段優れた性能があるわけではありませんが、安定した性能を発揮したのでしょう。

 これだけの両数が作られたわけですし。

 軸重が17.6tとこの当時としては、比較的大きかったためか、幹線での貨物運用が主な仕事でした。

 晩年は入換用だったようですが、Eisenbahn Journalの"DB Dampf Pur"などには3軸更新車を牽いている写真が複数掲載されていました。

 

 

 G 8.1は最高速度が55km/hでしたので、軸重低減を図り、客用にも使用できるように最高速を70km/hに高めるため、先輪を追加して1-DとしたBR 56.2-8に691輌が改造されています。

  それにしても、より古いとは言え、K.P.St.E. G 7.1が1,205輌、G 7.2 が1,646輌、G 8 1,054輌と、生産量が非常に多いことからも、ドイツではこの形式の需要が多かったことがうかがわれます。

 いつも通り、Wikipedia 独語版 Preußische G 8.1 より、引用、参照しました。

 ただし、WikiのBR 55.25-56の解説は、他の形式に比べると簡単なもので、構造の詳細や、運用の実際、問題点、それに戦時賠償でどこの国に何両渡ったかというような記載は一切、ありませんでした。

 

 

  さて、BR 55.25-56には、急行用機関車のような派手さがなかったからでしょうか、模型はそれほど多くはなかったように記憶しています。

 Modellbau-Wiki によりますと、古いところではPiko(1966年)、FLM(初代)(1968年?)がありますが、どちらも古いだけに出来には不満も残り、また長らく入手できない状態が続いておりました。

 FLMの初代は、当時のもの故、かなりのオーバースケールになっています。

 そんな中、1992年にFLMから完全リニューアル製品が、そして、1999年にこちらの製品が発売されました。 

 

  メルクリンは一番新しいだけに、よく出来ていると思います。

 

 

 見たところBR 55.25-56型の低い感じがよく再現されていると思います。

 ディテールも十分でしょう。 

  もちろんmfxフルサウンド仕様で、鐘を含め多種の実感&迫力あるサウンドが楽しめます。

 

 

 メルクリンの蒸機は、少々艶の有る塗装が質感を高めていますね。

 最近製品なので、ロッド周りが光っておらず、重量感を醸し出していますね。

 

 

 黒染めの金属車輪はメルクリンの代名詞ですね。

 

 

 いつもどおりレタリングもきれいです。

 2011年発売の除雪列車セットのですので、車番はEDP時代、最晩年(1970年頃)の姿です。 

 

 

 シリンダーの尻棒も単なる丸棒ではなく、実感がありますね。

 確か金属製です。

 

 

 BR 55はプラと赤塗装に差異が少ない気がします。

 

 

 こちらもレタリングは美しいです。

 

 

 プロイセン式のキャブですね。

 

 

  モーターはDCMではなく、最近のものなので、静かです。(もっとも私個人はうるさいですが、DCMのパワフルで安定した走りが好きですが)

 

 

 プロイセンpr 3 T 16.5テンダーです。
 最後の数字は水容量を示します。

 

 

 炭水車もダイカスト製です。

 この中にサウンドデコーダーとスピーカーが内蔵されています。

  

  

  メルクリンのBR 55.25-56は、持った感じが、軽く感じます。

 今までの製品群とは明らかに違うので、古くからのファンの方は面食らうかもしれませんね。

 牽引力はいかがでしょうか? 

 

 

 

 上記のように地味な機関車ですが、客車や貨車を牽かせて活躍させたいですね。

 

 2013/5/19 入線

 

 

 

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