DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

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西ドイツ国鉄 DB 急行用電気機関車 BR E 18 27号機 (ROCO 43659)

 

 今回はドイツ国鉄が世界に誇った高速電機BR E 18を紹介します。

 

 

 DB BR E18は戦前に誕生した高速旅客用電気機関車です。

 

 

BR E18主要諸元

 バッファ間距離:16.92m、運転重量:108.5t、軸配置:1'Do'1'、軸重:18.1t、連続出力:2,840kW、最高速度:150km/h

 

 

 1935~39年まで61両、戦後の1954~55年に2両が生産され、DBでは1984年まで、DRでは1991年まで使用されました。

 現在でも動態保存機が複数存在します。

 

 

 ドイツは世界で最初に電化鉄道を走らせた国ですが、電化の進展は、第一次世界大戦等の影響で遅れました。

 それでも南部ドイツやシュレージェン(現ポーランド)は戦前の段階で電化されており、電気機関車や電車が使われ、優等列車も走っておりました。

 

 

 さて、ドイツの急行用電機としては1926年より製造が開始されたE 16、1928年のE 17がそれぞれ活躍しておりましたが、それまでの速度120km/hよりさらなる高速を狙って開発されたのがE 18です。

 

 

 E 17をベースにしているとは言え、当時流行していた流線型を取り入れたため、スタイルが一新され、大変スマートになりました。

 現在でこそ何とも古めかしいスタイルに見えますが、電機と言えば四角が定番だった1930年代の半ば、最高速度150km/hも相まって、世界中にセンセーショナルを呼び起こしたことは想像に難くありません。

 そういう目で見ると、どことなく戦後製のBR E 10やE 03を彷彿されるものもありますね。

 

 

 E 18は1935年から製造が開始されましたが、優秀な成績を収め、特に大きな変更なく、量産化されました。

 4両が試作されたE 19を除き、DRGでは最高速の電機として、ベルリン-ライプチヒ間の急行等、中央ドイツ、シュレージェンで大活躍しました。

 1937年にパリのコンクールで優勝した本機は、BR 05同様、ナチス・ドイツ勃興の代表格でした。

 隣国オーストリア連邦鉄道BBOeからも、E 19と同様の電動機へ変更し出力を高めると共に、ギア比を高め、最高速度を120/km/hへ減じた勾配線区用1870型8両を発注しましたが、オーストリアはドイツへ併合されたため、これらはE 18.201-208となりました。

 ただしそこで第二次世界大戦が勃発し、戦時貨物輸送最優先の時代となり、それ以上生産されることはありませんでした。

 なお、それまでのドイツ電機は、立って運転するスタイルでしたが、本機から座席に座って運転するようになったとのことです。

 

 

 第二次世界大戦の結果、廃車になった仲間もおりましたが、DBには39両が継承された他、戦後も2両が追加され、復興間もない頃のF-Zug "Rheingold"等を牽引するなど、E 10、E 03が登場するまでの間、主力機として活躍しました。

 晩年は急行や普通列車を牽いていたようですが、1984年に引退しました。

 形態上の変化として、前面スカートの撤去、ヘッドライトの小型化、パンタグラフの交換が行われるましたが、ライトの大きさ以外には、外見上は大きな変化がないまま、終焉まで使用されました。

 一方、DRでは最終的に3両が使用されました。

 これらは、180km/h改造を受け、1991年まで使用されました。

 DR機は台枠が赤塗装されているので一目で見分けることができます。

 

 

 オーストリアでは、7両のE 18.2が1018となりました。

 これ以外に戦後残されたE 18 042が1118.01、戦災廃車となっていたE 18 046と206から1両が1018.101として再生され、合計9両が運用されました。

 オーストリア機は後に更新工事が実施され、前面の三枚窓がHゴム支持の2毎窓に変更されましたので、ひと目で分かる変化を遂げています。

 また後にオレンジ色(Broodorange)に塗色変更されました。

  

 以上、Wikipedia DR-Baureihe E 18 等より、引用、参照いたしました。

 

 

 さて、BR E 18の模型ですが、Modellbau-Wiki によりますと、量産品でもっとも古いのはMärklinであり、なんと戦前の1938年!にMS 800として発売しています。

 1985年に復刻されたBR 01や電機よりもずっと実感的な模型であり、動輪は3軸ですが、先輪もついています。

 その次もMärklinで、1959年の製品3024であり、D軸になりました。

 この製品は1970年代には作られておらず、次は大分間が空いて、1976年のRivarossi製品(1672、1673)、そしてROCOの1977年製品(4141A~C)となります。

 

 

 ROCO製品は、当時としてはよく出来ていたと思いますが、今の目で見ると、架線切り替えSWの穴が屋根に開いていたり、塗装がいまいちですし、走りもそれほど良くはありません。

 私もかつて持っておりましたが、走りが重いので、性能の悪い85009モーターをキャノンEN-22に交換しましたが、1996年にMärklin三代目製品のDC改造製品を入手したため、手放しました。

 

 

 E 18の模型としては、Märklinの三代目製品(1992年 3368/3768)に続き、こちらで紹介するROCOの二代目製品(1993年 43659)が発売されました。

 2000年代に入って発売されたROCOのシルドビーム仕様は三代目製品とすべきかもしれませんが、持っていないので詳しいことはわかりません。

 2018年現在、入手できる製品はないようです。

 今のところE 18にはフルサウンド機がないと思いますので、あるといいと思いますね。

 

 

 それでこちらで紹介するROCO製品は、上記の通り、1993年のROCOの二代目製品です。

 私にとっては三台目のE 18となります。

 製品の感じは、先代とよく似ていますので部分改訂版かもしれません。

 モーターが変更になり、先代のスプリングジョイントによる伝導から、一般的なユニバーサルジョイント駆動へ変更され、走りが大分改善されました。

 ディテール面でも改善が図られており、運転室手摺が別パーツとなりました。

 屋根上の配線も明らかに細かくなり、パンタも繊細なものに変更されています。

 先代製品の塗装は、発色が悪く、塗り分けもきれいではありませんでしたが、こちらもだいぶ改善されたように思います。

 

 

 ただし、27号機を含め、私の持っているE 18は、全て前照灯が暗いので、従来品と同様、車体中部に電球を配置し、導光体を引き回すタイプと思います。

 これはなんとかしたいと思いつつ、なかなかいいアイディアがありませんね。

 

 

 なお、最近のシルドビーム化された製品は持っておりませんが、LED化されているかもしれません。

 

 

 台枠は初代からいい出来でしたが、相変わらずディテールフルでいい感じです。

 ただし、プラの成型色のままですので、半光沢黒で塗ってやると更に良くなるかもしれません。

 

 

 車輪はなかなかのディテールではありますが、赤い輪芯がプラ製なので昨今の金属製に比べると質感が劣ります。

 塗ってやろうと思いつつ、なかなか実行できません。

 E 18は、大径車輪が目立つので、初代のメッキ車輪はなんともおもちゃっぽかったですが、二代目は黒染めになったので足回りが引き締まりました。

 

 

 大好きなE 18なのですが、意外と走らせていないですね。

 特にうちのはEp.3なので、案外組み合わせる客車が難しいです。

 

 

 

 いつの間にかE 18は各種揃えてしまいましたが、最晩年のシルドビーム、タルキス塗装仕様は大昔の玩具的なRivarossiしか持っていないので、ROCOかMärklinが欲しいところです。

 

 

 ただし、EGSが閉店してしまった今となっては、かなり困難な話になってしまいました。 

 

 

2001年12月15日入線

 

2018/11/19 記 
2019/12/24 文章見直し、写真全更新の上、再録
2020/5/21 Blogger用に再構成

 
 

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