DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

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ベルン・レッチェベルク・シンプロン鉄道(BLS) Ae 6/8電気機関車 208号機 (ROCO 43810)

 

 今回はスイスの大手私鉄BLS鉄道の電気機関車 Ae 6/8を紹介します。

 

 

 Ae 6/8はベルン・レッチェベルク・シンプロン鉄道の誇る、強力な電気機関車です。

 

 

 レッチェベルク・シンプロン鉄道=BLSはスイスの最大の私鉄です。

 スイス=イタリア間にはアルプス山脈はそびえ、太古から交通の障害となってきました。

 昔は、スイスからイタリアに行くのにわざわざオーストリア・アールベルク峠を経由する必要がありました。

 しかし1906年のシンプロントンネルの貫通により、大幅な時間短縮が図られました。

 ところがスイスの首都ベルンにとって、シンプロントンネルはありがたみがありませんでした。

 というのも、シンプロントンネルへ行くには、レッチェベルク峠越えをしなくてはならなかったからです。

 

 

 ということで、レッチェベルクトンネルが計画されましたが、工事は難航を極めました。

 途中で大水が出てルート変更を余儀なくされ、開通は1913年までずれ込みました。

 

 

 このレッチェベルクトンネルを含む、スイス南西部に総延長237kmの路線を持つのがBLS鉄道です。

 スイスは欧州の中でもっとも私鉄が発展していますが、BLSは、周辺の私鉄を含めたBLSグループとして、スイスの鉄道界に君臨しております。

 レッチェベルク線は、国内線はもちろんのこと、ドイツ/イタリア方面行きの国際列車、はたまた需要が急増している国際貨物列車も多数運用されているヨーロッパでも有数の幹線です。

 また同社の機関車(ボンバルディアRe 484)は、国際貨物列車を牽いてドイツまで乗り入れています。

 

 BLSのレッチェベルクルートは27パーミルの勾配幹線が連続するため、代々保有する電気機関車は技術的にも見るべきものが多い特色ある強力機が投入されてきました。

 本機もその一つであり、1913年の開通時から使用されていたFb 5/7(後のBe 5/7)に代わり、27パーミルで550tを50km/hで牽引できる機関車として、車軸配置(1'Co)(Co1')、低圧タップ切換制御とウエスティングハウス式クイル駆動との組み合わせによる当時世界最強の機関車として、開発されました。

 

 

BLS Ae 6/8 主要諸元(最終時)

 全長:20260mm、自重:140t、軸配置:(1'Co)(Co1')、動輪径:1350mm、動輪周上出力:4410kW(1時間定格) 最高速度:100km/h 

 

 

 欧州では比較的珍しい1CC1の軸配置を持つ本機は、1926-31年の間4輌(201-204号機)がイタリア ブレダ社/スイス/ SAAS社により、1936-43年の間4輌がスイスSLM/SAAS社により製造されました。(205-208号機)

 前期型は四角っぽいスタイルですが、後期型はスイス機としては他に例を見ない、ちょうどドイツのE 18のような丸っこいスタイルをしています。

 

 

 そう言われてみると、前期型は古いFSの電機になんとなく似ていますね。

 なお、前期型も後に前面形状が後期型類似の流線型に改造されたそうです。

 

 

 本機は長命で、それに伴い数次に渡り改造され、1995年までの長きに渡り、客貨両用に大活躍しました。

 現在でも、205号機が車体側面に"Bren Loetschberg Sinplon"標記のある旧塗装に戻され、動態保存されています。

 

 スイス型の例に漏れず、Ae 6/8についてもWikipediaに大変詳細な説明がありますので、参照をお願いします。

 

 

 上記の通り、BLS機はヨーロッパの私鉄機としては模型に恵まれる存在であり、日本製の高級ブラス製品を中心に、各メーカーから製品が供給されてきました。

  今回紹介するAe 6/8も有名機であり、古くはFlugulexのブラス製品で知られておりましたが、1995年、突如としてROCOが製品化しました。

 

 

 ROCO製品ですが、全体の感じはいいと思いますが、実車を見たわけではないので、よくわかりません。

  この世界の大先輩によりますと、曲線通過のため、デッキと手摺が大分大き目になっているとのことですが、これは仕方ないでしょう。

 

 前照灯はよく再現したと思います。

 

 

 走りの方は今の目で見ると普通ですが、当時はなかなかレベルの高いものだったと思います。

 

 

 それで残念ながら、私はハズレを引くことが多いのですが、本機もどちらかと言えばハズレで、パンタが外れやすく、またスノープラウの基部が折れていました。

 また経年で208の文字の一部が剥がれてしまいました。

 

 

 某有名店から通販で買いましたが、交換するのも大変で、そのままになってしまいました。

 と言うよりも、昔の模型店はクレームなんかつけられるようなものじゃなかったですよ。

 この店はかなりいい方でしたが、それでも、客がこのようなことを言い出しにくい雰囲気は十二分にありましたから。

 それに代品がない場合がほとんどでしたから、買った側が諦めるしかなく、泣き寝入りすることが多かったですね。

 

 

 なお余談ですが、あくまで私個人の経験に過ぎませんが、この手の話を一番しやすいのは、天賞堂さんですね。 

 話を戻しまして、パンタはたまたま持っていたメトロ製へ取り替えました。

 形状が正しいかわかりませんし、オリジナルのように架線集電は出来ませんが、細密感は上がっていると思います。

 スノープラウは、単なる飾りではなくカプラーの基部になっているので、折れた状態では都合が悪いので、ドリルで穴を開け、中に真鍮線を入れて接続しました。

 それでも不安が残るので、後に部品を入手して交換しました。

 10年くらい前は、ROCOの部品は天賞堂さんで取り寄せてもらえました。

 はっきり言って値段は相当安かったです。

 しかし天賞堂さんがROCOの代理店をやめてしまったので、大変残念ながら、このサービスも今はなくなってしまいました。

 

 

 日本では欧州型はいつまで経ってもマイナーな存在ですが、日本語が通じる修理窓口がないのは相当なマイナスですね。

 模型鉄道には故障がつきもので、特にデジタル関係、LED関係、モータートラブルについては、素人ではどうにもならないことが多いので、日本でもユーザーの多いメルクリンとロコについては、メーカーの修理窓口が欲しいですね。

 代理店や扱い店経由で修理してもらえることもあるようですが、その店で買った人だけが対象です。

 これは仕方ないと思いますが、一方、今は個人輸入等様々な手段で、模型鉄道を入手する時代であり、この流れはもう止められないと思います。

 実際、KATO製品は、修理代を支払えば入手経路には関係なく修理してもらえますし。(部品がある場合)

 まあ、同じく直接メーカーに修理を依頼すればいいのでしょうけどね。

  一度ダメ元でメルクリンに聞いてみますかね。

 このあたり、実際に修理を依頼されたことのある方のお話を伺えましたら幸いです。

 

 

1995年11月2日 入線

 

実車動画>

 
2018/10/13 記 
2019/12/13 一部修正の上、再録
2020/6/* Blogger用に再構成
 
 

 

 

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