プロイセン王国邦有鉄道コンパートメント車(Abteilwagen)のトイレについて
馬車の流れを汲む多扉のコンパートメント車Abteilwagenは、プロイセン王国邦有鉄道を始めとし、19世紀の終わりから、第一次世界大戦の頃まで約21,000輌が作られ、DBでは1963年まで、他の国では更に長い間使用されました。更に台枠を転用してUmbauwagenとなったものもあります。
ところで多扉のAbteilwagenは、車内に通路がなく、部屋が区分されるため、部屋毎に出口ドアがあります。
しかし、Abteilwagenにはトイレがあります。
部屋が区分されているのにトイレをどうやって使用するのか、私は長年不思議に思っていました。
今回調べたのですが、古いAbteilwagenは部屋が完全に区分されていたので、トイレに行くには外側のドアを開ける必要があるので、停車中ではないと行けなかったようです。(古い図面を見ると、トイレの隣の部屋は車内からアクセスできるようにも見えます。)
邦有鉄道時代の車両の標準図面(Musterblatt)はこちら。なお、注意書きにはDL可能とあります。これ以外にも"Abteilwagen Museterblatt"で検索すると、興味深い図面がたくさん出てきました。
昔の列車は駅でよく停止していたので、それでも良かったのかもしれません。
とは言っても切羽詰まった場合、走行中に車両の外に出て移動して転落してしまう事故が続発したようで、後期の型は、Abteilwagenといえども車内に通路があって、外を回らなくてもトイレに行けるようになったようです。
と同時に1920年代末までに、古いタイプも同様な改造が施され、同時に危険なトイレの外側のドアは閉鎖されたそうです。
こちらのFleischmannのモデルは左から三番目の窓がトイレのようですが、ドアが閉鎖されていますね。
こちらも同様です。
一方、こちらのROCOの製品は、トイレのドアが残っております。
プロイセン時代ならともかく、1950年代のDBなので間違いですね。
上記の古い図面等を見ると、ドイツの客車にはトイレがたくさんあったことがわかります。
こちらのAB 4 Pr 03など、4箇所もトイレ装備がありますね。
ドイツの客車は知らないことだらけです。
なお、上記の記事はこちらを参照させていただきました。
何分にも無知ゆえ、間違いなどあろうかと思います。どうかお許しの程を。
<追記>
上記リンク先の記事によりますと、先年発売になったFlmのAbteilwagen2軸車が初めて正確な形状になったとあります。同リンク先の写真では、トイレのドアが完全に埋められて、窓が小型化されていました。
最も上の写真のようなのもあるようです。
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