DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

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西ドイツ国鉄 DB 支線用小型蒸気機関車 BR 64 297号機 (ROCO 62200)

 

 今回は西ドイツ国鉄 DBの支線用小型蒸気機関車 BR 64を紹介します。

 

 

 BR 64は、ドイツ国鉄DRGが1926年に開発した、低軸重の支線用旅客蒸気機関車です。 

 

 

BR 64主要諸元

 型式:1’ C1’ h2t、バッファ間距離:12.4m、軸配置:1C1、運転重量:74.9/75.2 t、軸重:15.3t、過熱式二気筒、出力:698kW、ボイラー圧力:14bar、動輪径:1,500mm、最高速度90km/h

 

 

 1928年から1940年の間、520輌という旅客用タンク機関車としては、大きな数量が生産されました。

 

 

 BR 64は合理化のためにBR 24のボイラーや走り装置が使われています。

 このあたり、日本の国鉄の同じ支線用機関車C12とC56との関係に、よく似ていますね。

 愛称は「ボブ」というそうで、当時流行していたファッシュなブルな女性の髪型から名付けられたようです。

 

 

 第二次世界大戦後、393輌がまだ運用にあり、西ドイツ国鉄DBへ278輌、東ドイツ国鉄DRへ115輌が継承された他、ÖBBとPKPでも使われました。

 DBでは蒸機時代最末期の1975年まで使用されました。

 現在、20輌が保存され、タンク機としては比較的新しく、また小型で扱いやすいのか、動態保存機も複数あります。

 

 以上、Wikipediaドイツ語版 DR-Baureihe 64 より引用、参照いたしました。

 

 

 さて、模型としても扱いやすい機種だからでしょうか、BR 64は比較的量産製品に恵まれた車種と思います。

 

 

 Modellbau-Wiki によりますと、HOで一番古いのは、Piko/Gützoldの製品で1953年だそうです。

 私はこちらの模型は見たことがありませんが、同HPの写真で見る限りでは、今日の目では玩具といった趣の製品です。

 同HPの記事では、ボディが同じように見える製品が1959-1994年まで作られたことになっています。

 ただし足回りは別物になっているようで、最終的にはBühler-Motor装備で、鉄色のプラ製ロッドを装備した製品が発売されておりました。

 私も持っておりましたが、走りがイマイチで手放してしまいました。

 なお、同社からはその後もBR 64が出ているようですが、あくまで写真を見る限りでは、昔の製品とは別物に見えます。

 

 

 さて、その次は1967年のTRIX (これは見たことがありません)、そして1972年のFleischmann製品 4064となります。

 4064は1992年までの20年という長きに渡り製造されましたので、見たことがある方も多いと思います。

 その後、ボディは同一ながらBR 24に合わせ、走行装置が細密化された4061が1990年に発売されました。

 

 

 そこから大分期間が空いて、2005年にこちらで紹介するROCO製品が発売されました。

 

 

 尚、さらに2008年にMärklin、2014年にTRIX(Märklinと同じ)からも発売されております。

 なお、この他にもWeinertのキットもありました。

 

 

 それでROCO製品は、同社が不安定な状態にあった2005年の発売です。

 

 

 そのためか、少なくとも日本国内では、殆ど見かけることはなかったように思います。

 私もEGSで偶然、見かけ、入手しました。

 水性で軽くウェザリングしておりましたので、結構安価でした。

 幸いなことに、写真のように、水洗したらほとんど落ちました。

 なお、ROCOからは最近まで、CSDを含め、多数のバリエーションモデルが発売されているようですね。

 

 

 Fleischmannと同様、同一の走り装置を持つ、BR 24からの派生かもしれません。

 

 

 流石に2005年の製品だけに、1970年代に発売されたFleischmann製品と比べると、パイピングの別体化等、細密感が上がっています。

 全体の感じもいいと思います。

 

 

 足回りもとても繊細で、かつ黒染めになっています。

 2000年代以降のROCO製品は車輪が格段に改善されました。

 こちらも大変繊細なスポークになっています。

 

 

 持った感じがとても軽いです。

 あまり運転したことはありませんが、もともとが軽旅客用なので、あまり問題はないかもしれません。

 

 

 弁装置周り。

 2005年の製品だけに、プラ部品は銀色ではなく、ややくすみかかった鉄色になっています。

 ライトのハンドルは金属です。

 殆どのプラ製品はシャープな一体成型になっておりますが、この部品は大変折れて破損しやすいので、このような金属部品の使用は大歓迎です。

 ただ、外れて無くなってしまうこともあるので、予備を入れておいて欲しいところです。

 

 

 動輪は上記の通り、大変シャープな仕上がりです。

 汽笛の色もチャームポイントです。真鍮製だったように記憶しています。

 

 

  BR 64もキャブ手すりがとても細かいですね。

 キャブ下のステップは内側にやや曲がってしまいました。

 おそらく箱への収納時に押されてしまったためと思われます。

 ROCOの箱は本当に悪いですね。

 現在はIMONの車両箱に2個1で入れてあります。

 1/87 25m級の箱なら小型機が2台入るので、場所の節約になりますよ。

 

 

 こちらは缶モーター装備で、静かに走ります。

 デジタル化にも適しそうですが、デコーダーやスピーカーを入れる場所は殆どないように見ますね。

 実際には、2016年にサウンド仕様が発売になっているようですけど。

 

 

 殆ど紹介されたことにない製品と思いますが、ご覧のようにかなり繊細な出来であり、走りもスムーズなので、取り上げた次第です。

 

 多種出ているBR 64の中では、Märklin/TRIXと並び、現代でも通用する出来と思います。

 皆様も軽旅客用にいかがでしょうか?

 

 

2007年8月8日 入線

 

2020年3月27日 記

 

 

 

 

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