DB103のKleines Modellmuseum Ep. IV

こちらでは模型鉄道以外の模型記事を書いています。模型鉄道関連は本店にお越し下さい。

SBB RBe 2/4 1004 Roter Pfeil ……赤い矢……(TRIX 22729)

 

 今回は手放してしまった車輌を紹介します。

 

 

 SBB RBe 2/4 ”Roter Pfeil" (赤い矢) は、戦前製のスイス国鉄SBBの軽量・高速電車です。

 

RBe 2/4主要諸元

 全長22400mm、軸配置:2'Bo'、自重:38t、出力:324kW(連続定格、115km/h)、最高速度:125km/h、座席定員:67名

 

 

 まず1935年にCLe2/4形201、202号機の2両が作られ、同型機が1936-38年に5輌追加製造されました。

 こちらの1004号機は、CLe2/4 204号機として、1936年6月16日に作られました。

 その後、Re2/4 204号機→RCe2/4 604 号機→RBe2/4 604号機→ RBe2/4 604号機→ RBe2/4 1004号機に改称され、1968年12月31日に廃車になりました。

 その間、全面的な更新工事を実施したようです。

 

 なお、RBe 2/4についてはWikipedia スイス国鉄RAe2/4形、RBe2/4 1003-1007形電車 に大変詳細な記事が乗っておりますので、参照をお願いします。

 

 

 さて、Modellbau-Wikiによりますと、”Roter Pfeil" の量産模型ですが、古くはKleinbahnがあったようです。

 またこちらには記載がありませんが、HAGからも発売されておりました。確かショートスケールだったと思います。

 しかしこれらはあまり知られておらず、有名なのは1985年頃のFulgurexの高級ブラス製品ですね。

 というわけで一般的な量産品としては、1985年のMärklinとなります。

 

 

 RCe 2/4 メルクリン 3125 DC2線式改造車

 写真ではわかりにくいですが、TRIXと比べますと色が大分明るいというか、オレンジ色っぽいです。

 

 この製品は、2線仕様や各種のバリエーションモデルを含めて現在も時々生産されています。

 こちらで紹介するTRIXのRBe2/4 1004は、その一つで2001年の製品だそうです。

 

 

 それで私は、その特異なスタイルが大変気に入っており、昔から欲しい車種でした。

 しかし当時、上記のようにFulgurexとMärklinしかなく、私にとって縁遠い存在でした。

 そんな中、個人輸入を始めた1996年頃に、イギリスの中古屋でメルクリンの改造車を見つけました。

 この店"Contikits"は有名な中古店でしたが、この当時ですらFAXが使えず、手紙を書いて返事をもらってから、小切手で送金するという、今の時代からは到底信じることが出来ないような大変面倒な取引でした。

 小切手を作るのには、金額に関係なく2,500円の手数料と500円の書留料がかかりました。

 私も数回利用しましたが、メルクリンのBR 103 DC仕様を注文したのに、BR 78 DC仕様を送って来る大トラブルがあってから、取引をやめました。

 こちらはAir Mailで在庫を問い合わせてから、大変な手数料を払って送金しているのにです。

 これは詐欺そのものなので、最大限の侮言を用いて文句を言いましたが、相手が日本人のためか全く相手にされませんでした。

 それにしても昔はこんな詐欺まがいな店があったのですね。

 その後、Contikitsは泥棒に入られたとかで、これこそ因果応報だと思います。

 

 それはともかく、1996年8月に念願の ”Roter Pfeil" を入手することが出来ました。

 

 

 それで、メルクリンのRCe 2/4の印象ですが、まずボディがダイカストなのがその当時の私のコレクションの中では異彩を放ちました。

 ただし肝心な走りは全くメルクリンらしくなく、相当悪かったです。

 まず駆動装置からしメルクリンの他の製品ではあまり見かけないDCモーターで片台車を駆動する方式ですし、またこの車は、片台車を駆動(全ゴムタイヤ?)、片台車から集電しておりますが、三線ならいざしらず、二線の場合、2輪だけの集電になりますし、その集電装置もどこかの模型店(MC Schürler?)のものらしく、細い燐青銅線を車輪の後ろから押し付けただけのもので心もとなく、また車輪には傷が入っていて、ともかく集電性能が悪かったですね。

 今ならいろいろ対策もあったと思いますが、当時は方法もわかりませんでした。

 あとは搭載されている基板が複雑でよくわからず、前照灯が進行方向で切り替わらず、室内灯も切れたままでした。

 その他、手摺や屋根上部品が折れていましたね。

 余談ですが、EGS等でこの車の中古をよく見かけましたが、何故か不動が多かったような気がします。

 ということで、高価な中古の割には、うちではあまり使われることもありませんでした。 

 

 

 それで、それから7年後の2003年10月にこちらが入線しました。

 同じ車両なのになぜかと言いますと、たまたまある模型店でバーゲンになっていたからです。

 それでも結構高額でしたが。 

 ベースは全く同じ製品ですが、メルクリンと比べると色が全く違いますし、メーカー品なので集電性能も向上しています。

 

 

 人形が乗っているのも、窓が大きいぶんアドバンテージですね。 

 それにしても1930年代にはこのようなスタイルが存在したのですね。

 すごいと思います。

 

 

 さて、そんなわけでしたが、2012年末にデジタルを始めたことにより、必然的に手持ちを整理して購入資金を得る必要に駆られました。

 HOについては、1997年以降、大幅な整理は行っていなかったので、増えすぎたコレクションを整理するちょうどいい機会でもありました。

 うちはとても狭いですので。

 基本、ドイツ型に絞ることにしましたので、ドイツ型以外の車両、デジタルとかぶるもの、ダブって持っていたもの、問題のあったものなどが対象となりました。

 それと率直な話、相応の対価を得ることができるもので、必要性の低いものも手放しましたね。

 

 

 そういう意味で、 ”Roter Pfeil" についてもダブっておりましたので、いろいろと不満のあったメルクリンを手放しました。

 そしてそれから程なくして、こちらも手放すことになりました。

 大分前のこと故、理由はよく覚えておりませんが、

 1)主力のドイツ型でないこと、

 2)あの頃、アナログには物足りない感じを持っていたこと

が原因かもしれません。

 更に、メルクリンデジタルの同車種(できれば一軸のトレーラーを牽いているもの)を入手したいと思っていたこともあります。

 実際、私鉄OEBB仕様であれば、ヤフオク等で比較的多く入手できましたし。

 なお余談ですが、幸いなことに本車はレアアイテムだったこともあって、元は取れました。

 

 

 しかしながらその後、トラブルが続いたことや、それ以外にもいろいろあり、デジタルに対する熱は急速に冷めてしまいしまいました。

 今では完全に休止状態です。

 そして、もう多分やることはないでしょうね。

 って言うか無理ですよ。私じゃ。

 

 そんなこともあり、現状 ”Roter Pfeil" の入手は出来ないままになっています。

 時々中古は出ますが、思いの外、値段がつくんですよね。

 人気あるんですね。

 

 

 こんなことなら、手放さないほうが良かったのかもと思うことも、無きにしもあらずですが、やっぱりこれでよかったのだと思うことにしています。

 

2003/10/18 入線

2014/10/4 譲渡

 

2018/10/11 記
2020/1/31 写真及び文章再構成の上、再録
2020/6/* Blogger用に再構成

 

 

 

 

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